J2札幌が、リーグ戦初スタメンのベトナム代表FWレ・コン・ビン(27)のリーグ戦初ゴールで4位長崎を1―0で下した。前半15分にダイビングヘッドでゴールを挙げたが、同36分にこの日2枚目のイエローカードを出されて退場。わずか36分間のプレーに終わったが、その後の数的不利も全員が体を張って虎の子の1点を守った。
試合後。サポーターからの「レ・コン・ビン」コールを、ビンは全身で受け止めた。リーグ戦出場3試合目での1発。思い出のゴールにビンは何度も手を挙げ、柔らかな笑顔を浮かべた。
「うれしすぎ。長い時間待っていたのでうれしいよ」
まさに「ビン劇場」だった。前半15分、右サイドを猛然と走り込み、DF上原のパスにダイビングヘッド。ゴール右に突き刺した。だが、「ベトナムの英雄」はこれで終わらない。興奮のあまり、ゴール裏のサポーターに向かって走りながらユニホームをたくし上げた。この行為でこの日1枚目のイエローカードをもらうと、前半36分に相手ユニホームを後ろから引っ張り2枚目。直後にレッドカードを突きつけられ、わずか36分間でピッチを去った。
04年のプロデビューからベトナム代表通算51試合で35得点。ベトナムリーグ通算107得点を挙げてきたが、レッドカードはベトナム代表戦の09年レバノン戦の1度だけ。リーグ戦ではイエローカードすらなかった。新天地を求め、8月上旬に来日して1カ月半。先月21日の愛媛戦でリーグ戦初出場初アシスト、そして今月7日の天皇杯2回戦道教大岩見沢戦で来日初ゴールを挙げた。だが8月11日の横浜FC戦から前節栃木戦まで6戦連続ベンチ入りも、出場時間は2戦計9分間にとどまっていた。気持ちが高まり、退場後の残り54分間の数的不利まで「演出」したが、ようやくゴールへのストレスをぬぐいさった。
財前恵一監督(45)は「期待していた通り。球際でも気持ちを出した」と称えた。3戦ぶりの勝ち点3で、暫定ながらプレーオフ出場権6位の千葉との勝ち点差は4と縮まった。ハーフタイムにチームメートに謝罪したビンは「守ってくれて感謝。これからも頑張りたいし、ミステークはやめたい」と誓った。http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2013/09/23/kiji/K20130923006669810.html
▼レ・コン・ビン 初ゴール
▼ゴール裏(音量注意)
■試合後 レ・コン・ビン コメント
「得点の場面は本当に嬉しかったです。リーグ戦で得点できる日をずっと待っていましたから。でも、その後にレッドカードを出されてしまった時は、ショックで倒れそうになってしまいました。ゴールをした後も頑張ろうと、一生懸命にボールを追いかけたのですが…。チームに迷惑をかけてしまい本当に申し訳なく思っていますし、これからはそういうミスをしないようにしたいと思っています。そうしたなかでチームメイトが勝利という結果を出してくれて、本当に感謝しています」
◆2013 J2 第34節 札幌 vs 長崎(札幌厚別) ゲームサマリー
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