
そこにサッカーが無ければ一生行くことが無かった地
そこにJリーグが無ければ一生出会わなかった人や食
サポーターならきっと誰しもが経験あるんじゃないかな
詳細は以下から。
小谷野薫(サンフレッチェ広島前社長)インタビュー(2)より一部抜粋
――もう一つ伺いたいのは、地方クラブの社長としてホーム・アウェイ含め全試合に帯同されましたが、そこで見えてきたものは数多くあると思うのですが、いかがでしょうか。
小谷野 多くのクラブでは社長が実行委員を兼任していますから、必然的にかなりのJリーグクラブの社長さんはアウェーにも行っています。ただ、その上で素直にいうと、広島のクラブがJリーグやナビスコカップ、ACLを戦うのは移動距離だけでもすごいハンデだと思います。ACLに関しては、一昨年はウズベキスタンに行き、昨年はオーストラリアには2回行きましたが、本当に大変な目に遭いました。また、ウズベキスタンの帰りは清水の舞台から飛び降りる気持ちでチャーター便を手配したのですが、その直後のアウェー名古屋戦で勝ち点1を拾えたことが、2連覇を達成した最後の最後で効いたということは、クラブとしても良い学びだったと思います。
関東のクラブに比べると、ウチの選手・監督・マネージャーやスタッフは過酷な移動を本当によくこなしていると思います。現場の人たちには本当に頭が下がります。今は広島から新潟に直で飛行機で移動できないとか、そういう制約があります。さらに、広島の夏は暑い。ナイターになって気温が多少下がっても湿度がある、これをホームの利点と考えるのも可能かもしれませんが、練習をしていても本当に暑い訳で、選手には心底同情します。
――WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)値では、基本的に31度以上の気温では運動自体が原則禁止となっていますしね。となると、練習自体は本来ほとんどできないわけですよね。
小谷野 まさしく、気候からしても移動距離からしても、選手は本当によくやってくれています。一方で、Jリーグの地域的な広がりも大事にしたいですね。僕もJリーグがなかったらそうは行かなかったであろう地域に行って、ナイターをやった後にその地域に泊まって、地域の人達と交流したり、空いているお店に行って祝杯を挙げたり、残念会をしながらご飯を食べたり。これは本当に、大変な遠征の旅ではあるけど、Jリーグがなかったら行かなかったであろう場所で、まず出会わなかったであろう人たちや料理に会えたことはすごく大きかったですね。Jリーグの大きな意義はそこにあるということを体感しました。
――サッカー自体もインバウンドの観光資源としてすごく有望だという話もありますね。
小谷野 私も実際にアウェイを含め、実は2012年の社外取締役をやっていたときから全試合行ってたんですけど、広島の試合やアウェーの試合を東京の仕事の合間に深夜バスに乗って行ったりしていました。3年間チームに帯同したら、チームの追っかけをやっている人たちの気持ちが少しわかるようになったかもしれません。
――それはどういった部分ですか?
小谷野 やはり、1試合1試合に週末を迎えるのが大変だけど待ち遠しくなる訳です。あとは、試合に入っていくプロセスそのものを楽しむ感覚とかね、アウェイツーリズムにハマる人というのが熱烈なコアサポだけでなくて、Jリーグでも着実に増えているのはそういう部分なのだろうと思います。
――Jリーグにはツーリズムとしての魅力もあると。
小谷野 仕事でありながら、Jリーグの良さとして僕自身楽しませてもらったのは間違いありません。
――1つに絞るのは難しいと思いますが、あえて一番印象に残っている場所はどこですか?
小谷野 どこもみんな印象的ですけど、新潟、大分、徳島や仙台でしょうか。すごく印象に残っていますね。社長を辞めてしまったので、今年の松本には行けないのは残念です。瀬戸大橋を越えて徳島に入ったり、大分でドームを閉めきって蒸し暑い中で試合をやったり、いろんなことをやりましたからね。あと、これは社長になる前ですが2012年の森崎浩司の復活ゴールの札幌戦、厚別でやったものすごい突風の中での試合とか。サッカークラブそのものは主催ゲームを盛り上げようとしようとしていろんな演出とか企画を打ちますが、加えて行ったり帰ったりする道すがらも含めていろいろなハプニングがあります。なので、アウェイツーリズムにハマる人はまだまだ増えると思います。
――そのクラブ運営の考え方というのは、最寄り駅からスタジアムまでを動線含めどうデザインするかを考えるべきだと。
小谷野 コアサポーターからライトなサポーターまで、「そこにいけば何かがある」という空間や時間の創出はこれからもっとやってほしいですね。そういう楽しい空間をどう創出するかというところは、他のエンターテイメント産業やプロ野球なども含めてよく見習う必要があるかなと思います。私はコンフェデ杯とワールドカップと2回ブラジルに行きましたが、本当に海外におけるイベント会場やその周辺でのホスピタリティやお金の使わせ方には学ぶところが多いと思います。別の言い方をすれば、サッカーツーリズムの可能性は日本で想像されている以上に大きいと思います。◆アウェイツーリズム:Jリーグ.jp◆俳優・大杉漣が選ぶ、スタジアムグルメBEST3
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